2種類のアスベストが含まれた建材を徹底分析!【本日の分析】
《 2024年9月27日 》
本日分析した検体をご紹介いたします。
今回は工場の壁材です。材料は壁、天井、軒天、水回りとしてよく使用されているケイカル板(ケイ酸カルシウム板)。2006年以前に製造されたケイカル板にはアスベストが含まれていたものも多くありました。

こちらを粉砕・灰化・酸処理(前処理)して分析に適したフィルターの状態にします。
今回の建材からはクリソタイルとアモサイトの2種類が検出されました。
どちらもかなり含有量が多く、それぞれの繊維の特徴がはっきりと観察できます。
まずはクリソタイルの顕微鏡画像です。




クリソタイルは曲がったりといった状態も見られる繊維状で、分散染色(1.550)で横方向が赤紫、縦方向が青色をしています。
次にアモサイトの顕微鏡画像です。




アモサイトはまっすぐな繊維状で、分散染色(1.680)で横方向がオレンジ、縦方向が青色をしています。
ケイカル板にアスベストが含有している場合は今回のように、クリソタイルとアモサイトの2種類のアスベストが含有している事がありますので注意が必要です。
前処理をしていない建材の状態での分析においてもクリソタイルとアモサイトの繊維が複数発見されたことから、推定含有率はクリソタイル、アモサイト共に『5~50%』です。【分析担当:杉田・井出】
【分析結果:含有】
クリソタイル(5~50%)、アモサイト(5~50%)




