アスベストについて
- Qアスベストとは何ですか?
-
アスベスト(石綿)は、天然に産する繊維状ケイ酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。蛇紋岩系のクリソタイルと角閃石系のアモサイト・クロシドライト・トレモライト・アクチノライト・アンソフィライトの6種類の鉱物のことを指します。 繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や、飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が 吸入してしまうおそれがあります。以前は耐熱性、耐薬品性、絶縁性等の諸特性に優れている為、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等さまざまな利用形態で使用されていましたが現在では、原則として製造等が禁止されています。 石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。
- Q石綿が原因で発症する病気はありますか?
-
石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、 石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。
- Qアスベスト分析は必要ですか?
-
令和3年4月1日より大気汚染防止法が改正施行され、石綿含有成形板や仕上げ塗料(レベル3)を含むすべての建材が規制対象となりました。一定規模以上の工事については、一般の戸建て住宅も規制対象となり、アスベストの分析・調査の必要性は近年ますます増加傾向にあります。
- Qアスベストのレベルとは何ですか?
-
アスベスト含有建材は建築物等の解体等の作業における粉じんの発じんの度合いにより【レベル1~3】に分類されています。レベルの分類により、届出、隔離の措置、作業者以外の立入り禁止措置、呼吸用保護具の種類の適応が異なります。
【レベル1】…発じん性が著しく高い・石綿含有吹付け材 など
・耐火建築物の梁や柱、立体駐車場や体育館の天井や壁などに使われていました。
・耐火建築物の梁や柱、立体駐車場や体育館の天井や壁などに使われていました。
・昭和30年~50年初め頃までの建築物には使われる可能性が高いです。
【レベル2】…発じん性が高いなど
・石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材、石綿含有保温材 など
・ボイラー本体や配管、空調ダクトなどの保温材としてや、屋根裏の断熱材などにも使用されていました。
・レベル1と2は工事開始の14日前までに届出が必要です。
【レベル3】…発じん性は比較的低い・その他石綿含有成形板、仕上塗材 など
・建築物の屋根材や外壁材・天井・内壁・床などあらゆる場所に使用されていました。
・アスベストの約9割がレベル3に該当します。
法改正により、ただし、アスベストの発じん性については、密度の軽重(飛散しやすさ)や石綿含有率、劣化状況等の様々な要因に影響を受け、石綿の解体等における作業方法によっても度合いが異なることが指摘されています。
- Q見た目でアスベストの判断がつきますか?
-
見た目では判断はつきません。アスベストの分析調査が必要になります。
- Qアスベストが使用されている場合、どうしたらよいですか?
-
除去、封じ込め、囲い込み等の措置などが必要になります。
- Q建物のどこに使われていますか?
-
建築物の壁材、屋根材、外装材、内装材など多くの場所で使用されています。
- Q建築物でアスベストが使われているか、どのように調べたらよいのですか?
-
建築物を施工した建設業者又は工務店、あるいは分譲住宅等を販売した宅建業者に問い合わせ、設計図書(建築時の施工図・材料表等)で確認します。ただし、アスベストの使用が記載されていない場合や、後に改修工事や補修工事でアスベストが使用された可能性もあり、現地調査と合わせて調査する必要があります。アスベスト含有吹付け材が規制された年代と建築年次、使用されている用途などによりある程度は類推できますが、調査者等アスベスト調査の専門家(調査者等)に依頼することをお勧めします。*令和5年10月1日より事前調査を行う者、分析を行う者の資格要件が適用されます。
分析依頼について
- Qどのように依頼すればよいですか?
-
分析依頼フォーム、またはお電話(045-253-2560)からご依頼いただき、検体をお送りください。弊社指定の依頼書からご依頼いただくことも可能です。詳しくは「ご依頼の流れ」をご覧ください。
- Qどれくらいの期間で分析できますか?
-
超特急プランは午前10時までの検体到着で当日に、通常プランは検体到着から2営業日以内に報告書をメールで送信いたします。万が一遅れる場合には、あらかじめご連絡させていただきます。 分析検体数が多い場合、弊社の業務受入れ状況が混雑している場合、納期の調整を相談させて頂く場合がございます。予めご了承願います。
- Qどれくらいの費用がかかりますか?
-
超特急プランは1検体¥40,000(税抜)、特急プランは1検体¥30,000(税抜)、通常プランは1検体¥20,000(税抜)となります。 弊社はすべてJIS1481-1による定性分析を行い、 XRDでもダブルチェックし、より精度の高い分析を提供いたします。
- Q支払いはどのようにすればよいですか?
-
初回のみ報告書と同時に請求書をメールにて送信いたします。請求書到着後1週間以内にお振込み願います。
- Q報告書の形式について教えてください
-
分析結果報告書のフォーマットは、原則弊社指定のものとなります。 報告書の内容は、分析結果報告と顕微鏡写真となります。 その他をご希望される場合は、事前にご相談をお願い致します。別途費用とお時間を頂く場合がございます。但し、ご要望に沿えない場合もございますので、予めご了承下さい。
- Q報告書の納品方法について教えてください
-
原則報告書のPDFファイルをメールにて送信致します。 報告書の紙媒体での発行は1部に付き、発行手数料2,000円(税抜)を頂戴いたします。
- Q仕上塗材の層別分析には対応していますか?
-
仕上塗材についての層別分析にも対応しています。 層別分析をご希望の場合にはご依頼時にお知らせください。 但し、検体の状態によっては層別分析が実施できない場合もございますので、ご了承ください。
- Q偏光顕微鏡法でのアスベスト分析はできますか?
-
弊社ではJIS A 1481-1の実体顕微鏡・偏光顕微鏡及び電子顕微鏡による定性分析方法を採用しております。十分な数の偏光顕微鏡と専門の技術者がおり、迅速な分析に対応できる体制を整えております。
- QJIS A 1481-1 と JIS A 1481-2 の違いは何ですか?
-
JIS A 1481-1は国際規格ISO 22262-1を基にした分析方法で、実体顕微鏡と偏光顕微鏡及び電子顕微鏡による定性を行い、熟練した技術者が実施した場合は精度良く短期間で建材中のアスベスト有無の判断が可能な分析方法です。 JIS A 1481-2は旧JIS A 1481(2008)の定性分析方法に相当し、X線回折及び位相差・分散顕微鏡による定性分析方法です。 JIS A 1481-2は日本独自の分析方法で分析者の力量には依存しにくいですが、層別分析や天然鉱物中のアスベスト定性分析には適しません。 弊社では特にご指定のない限り、JIS A 1481-1の分析方法を採用しています。
分析に関わる資格について
- Q作業環境測定士について教えてください
-
作業環境測定士とは、職場における有害物質などを測定し、その環境改善を図って労働者の安全を守るための国家資格です。
作業現場の粉じん、放射性物質、特定化学物質、金属、有機溶剤などの測定・分析をおこない、分析した結果をもとに、事業所や工場、病院など依頼先の作業環境の改善をアドバイスするのが基本的な仕事になります。
作業環境測定士1種と2種の違いについては、測定機器の使用の有無などがあります。第一種作業環境測定士は、それぞれの対象物質について分析機器を用いて測定を行うことができ、第二種作業環境測定士は、簡易測定機器(デジタル粉じん計、検知管等)を用いて作業環境測定を行うことができます。
- Q日本環境測定分析協会について教えてください
-
日本環境測定分析協会による『アスベスト分析技能試験』の試験実績と『アスベスト偏光顕微鏡実技研修』の修了実績です。 令和2年厚生労働省告示第277号に従い、令和5年10月1日から施行された石綿障害予防規則第3条第6項に基づく分析調査資格です。 この告示第1条第2号の規定に基づき、分析調査講習の実施に関し必要な事項の厚生労働大臣が定める者の項で「同等以上の技能及び知識を有すると認められる者」に該当する分析資格になります。
- Q日本繊維状物質研究協会について教えてください
-
日本繊維状物質研究協会による「石綿障害予防規則第3条第6項に基づく分析調査者講習」の試験実績です。
石綿障害予防規則第3条第6項に基づく分析調査者講習とは令和2年厚生労働省告示第277号に従い、令和5年10月1日から施行された規定に基づいた分析調査者講習です。
- Q石綿分析評価事業について教えてください
-
日本作業環境測定協会で発行している、建材などに石綿(アスベスト)含有の有無の判定。また含まれている場合は、どの種類の石綿(アスベスト)なのか、どのくらいの割合(%)で含まれているかについての分析技術の評価・認定資格です。
【評価区分1 Aランク】
本作業環境測定協会による固体試料について、「顕微鏡を用いて石綿(アスベスト)が含まれているかの確認および含まれている場合は石綿の種類の判別」の評価認定です。(JIS A 1481-1 法)
【評価区分2 Aランク】
日本作業環境測定協会による固体試料について、「顕微鏡とX線回折装置」を用いて「石綿(アスベスト)が含まれているかの確認および含まれている場合は石綿の種類の判別」の評価認定です。(JIS A 1481-2 法)
- Q工作物石綿事前調査者について教えてください
-
工作物石綿事前調査者(以下、建材調査者)とは、工作物における石綿(アスベスト)使用の有無に関して正しく調査できるに調査員のことを指します。こちらの資格を保有するためには、工作物石綿事前調査者講習を修了する必要があります。
2026年1月1日以降着工の工事から工作物の解体等の作業を行うときは、事前調査者による事前調査を行う必要があります。
以下の、特定工作物・特定工作物以外の工作物・その他(工作物以外で石綿(アスベスト)が使用されている作業を行う場合)が主な対象となります。
•反応槽
•加熱炉
•ボイラー及び圧力容器
•配管設備(建築物に設ける給水設備、排水設備、換気設備、暖房設備、冷房設備、排煙設備などの建築設備を除く)
•焼却設備
•煙突(建築物に設ける排煙設備などの設備を除く)
•貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)
•発電設備(太陽光発電設備や風力発電設備を除く)
•変電設備
•配電設備
•送電設備(ケーブルを含む)
•トンネルの天井板
•プラットホームの上家
•遮音壁
•軽量盛土保護パネル
•鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板
•観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く)
- Q建築物石綿含有建材調査者について教えてください
-
建築物石綿含有建材調査者(以下、建材調査者)は、建築物における石綿(アスベスト)の使用を事前調査するための資格です。建材調査者の役割としては、建物の解体や改修の際に、石綿(アスベスト)を含む建材等の有無を調査することです。2020年7月に石綿障害予防規則等が改正され、建材調査者が調査にあたることが義務付けられました。
建材調査者には、【一般】、【一戸建て】、【特定】という3つの種類があります。【一戸建て】は文字通り、戸建て住宅の調査を専門とする資格です。また、共同住宅の住居箇所における、全ての材料の事前調査が可能です。【一戸建て】では住居箇所の調査のみにとどまり、廊下などの共用部分は対象外となります。【一般】と【特定】は、【一戸建て】も含めた全ての建築物、構造物を調査できます。建材調査者になるには、講習登録規定に基づく登録講習機関で講習を受講し、かつ修了考査に合格する必要があります。講習会は規定を満たした様々な機関によって全国各地で開催されています。
- Q石綿作業主任者について教えてください
-
石綿作業主任者とは、石綿が使用されている建築物の解体やリフォーム工事などの現場で、作業の指揮や監督を行う国家資格を有する人のことを指します。 石綿作業主任者の主な業務内容は次のとおりです。
① 作業方法の決定
② 排気・換気設備の点検
③ 保護具の使用状況の監視
④ 労働者への作業指揮や退避指示
⑤ 汚染の除去
レベル1・レベル2の石綿建材が使用されている建築物の作業計画届の作成 石綿作業主任者の資格を取得するには、都道府県労働局長に登録されている事業者が開催する「石綿作業主任者技能講習」を修了する必要があります。講習は2日間で、受講資格は特に指定がありません。
石綿(アスベスト)は法律で使用が禁止されているため、新築現場では石綿作業主任者が必要となることはありません。




